アメックスのスタンダードカード6枚を、年会費の安い順に比べてみたいと思います。
内訳はプロパーカードのグリーンのほか、「ANA」「デルタ」航空会社提携の2枚、阪急阪神グループ提携の1枚、「ヒルトン」「マリオット」提携の2枚です。
スタンダードカード6枚の年会費は、いずれもアメックスとして抑え気味ですが、同社はもともと富裕層向け。ハイブランドが充実した百貨店での事実上10%キャッシュバック、高級ホテルの無料宿泊など、提携各社の特典にはそれぞれ魅力があり、あなどれません。
使ってみたいカードがあるかどうか、ぜひ検討してみてください。
ANAアメリカン・エキスプレス®・カード(年会費7,700円)
ANAに乗る機会が多ければ、お得にマイルを貯められます。
個人的には、スタンダードカードで最も年会費が低いにも関わらず、自宅ー空港間の手荷物無料配送サービスを使えるのが最大のポイントです。成田、中部国際、関西国際の3空港が対象で、羽田が入ってないのですが、大阪、名古屋在住の方なら関係ないでしょう。
海外旅行の際、自宅から空港までスーツケース一個を送れる非常に便利なサービスなのですが、プロパーカード・グリーンは2023年3月に同サービスを終了してしまいました。ANA提携カードは、グリーンよりも会費(年1万3200円)が安いにもかかわらず、同サービスを使えるのが魅力的です。
通常の買い物で100円当たり、1ポイント貯まり、1ポイントは1マイルと等価交換できます。
マイルと、ANAの国内航空券を交換する場合、シーズンや飛行距離などで必要マイルが変わります。片道でおおむね、6000〜7000マイルといったところでしょうか。
決済50万円で国内片道航空券
50万円分をカード決済すると5000マイル貯まり、カードを継続更新すると、1000マイルが加算されます。これだけで合計6000マイルとなり、片道航空券1枚と交換できます。
ANAの航空券を購入すると、ポイントは1.5倍。搭乗距離や座席クラスにより、ボーナスもあります。条件達成のハードルは、けっこう低いのではないでしょうか。
難点は海外旅行時の障害死亡・傷害後遺障害保険金が3000万円であること。一般的なVISAやMasterのスタンダードカードよりやや高いか同水準ですが、個人的には年会費8000円弱を払うなら、5000万円ほどほしい、という印象です。
アメックスのANAカードにはゴールドもあります。同保険金が1億円まで上がるので、より充実した補償を付けたいならアップグレードしてね、という方針なのでしょう。
カード名称 | ANAアメリカン・エキスプレス®・カード |
年会費 | 7,700円(税込) |
ポイント基本還元率 | ー |
マイル加算比率 | 通常:100円=1ポイント付与=ANA1マイル ANAグループで利用:200円=2ポイント=2マイル |
ボーナスマイル | 搭乗ボーナスマイル:区間基本マイレージxクラス・運賃倍率x10% |
カード継続特典 | 毎年1000マイル贈呈 |
旅行保険(障害死亡・傷害後遺障害保険金) | 海外:最高3000万円(補償期間は最長90日) |
同(障害治療費用保険金・疾病治療費用保険金) | 最高100万円 |
手荷物無料宅配サービス | スーツケース1個 |
家族カード | 月額2750円(税込) |
オンライン・プロテクション | 届け出から過去60日以内の不正利用額を補償 |
アメリカン・エキスプレス®・グリーン・カード(月会費1100円=年換算13,200円)
カードのデザインが世界共通で、ゴールド、プラチナとともにプロパーカードと呼ばれます。個人的にポイントを貯めて積極的に使いたいというサービスはないのですが、どんな場面で提示しても恥ずかしくない、というステータス性の高さに魅力があります。
ビル・ゲイツやウォーレン・バフェットも愛用しており、社会的地位、年齢にかかわらず、所有する喜びを感じられるカードです。私も10年余り、使っているのがグリーンになります。
海外旅行時の障害死亡・傷害後遺障害保険金が5000万円と、他ブランドのゴールドカード並みです。
アメクスの旅行サイト「トラベルオンライン」(どのアメックスカードでも使える)を利用し、国際航空券を最安水準で手配することもできます。
ステータス性の高いカードを持ち、海外旅行を楽しみたいが、なるべくカード会費は抑えたい、という人にぴったりでしょう。
関連記事:【アメックス】グリーン/ゴールドのメリット 帰国便変更で助けられた話
カード名称 | アメリカン・エキスプレス®・グリーン・カード |
月会費 | 1100円 |
ポイント基本還元率 | 0.3~3.0% |
ポイント・マイル交換比率 | JAL :3000ポイント=1000マイル ANA:2000ポイント=1000マイル その他14社:2000ポイント=1000マイル |
カード継続特典 | なし |
旅行保険(障害死亡・傷害後遺障害保険金) | 海外:最高5000万円(補償期間は最長90日) |
同(障害治療費用保険金・疾病治療費用保険金) | 最高100万円 |
手荷物無料宅配サービス | なし |
家族カード | 月額550円(税込) |
オンライン・プロテクション | 届け出から過去60日以内の不正利用額を補償 |
デルタ スカイマイル アメリカン・エキスプレス®・カード(年会費13,200円)
アメリカのレガシーキャリア「デルタ航空」との提携カードです。マイルが貯まりやすいのはもちろんですが、エコノミークラスの座席よりゆとりがある「デルタ・コンフォートプラス」への無料アップグレード特典があり、旅をより快適にしてくれます。
就航便の多いアメリカ本土を旅したり、ハワイに遊びに行ったりする人なら存分に恩恵を受けられるのではないでしょうか。
維持費は、プロパーカードのグリーンと同じ年額1万3200円。海外旅行時の障害死亡・傷害後遺障害保険金が5000万円も付いてくるので、提携カードの安っぽさはありません。
海外障害死亡保険は5000万 手荷物宅配サービスも
自宅ー空港間の手荷物無料宅配サービスもあり、対象は羽田、中部国際、関西国際の3空港。最近は羽田の国際便が増えています。デルタ航空を使うかどうかにかかわらず、海外旅行に出かけるなら、ANAのスタンダードカードよりも、使い勝手が良さそうです。
海外でショッピングすると、カード決済100円当たりのマイル加算率が、「1マイル」から「1.3マイル」に上がる点も見逃せません。旅行好きなら結構、使い倒せるのではないでしょうか。
私としては、欧州ならブランドものの衣類や登山用品が日本より安いので、まとめて買ってみたいですね。
カード名称 | デルタ スカイマイル アメリカン・エキスプレス®・カード |
年会費 | 13,200円(税込) |
ポイント基本還元率 | ー |
マイル加算 | 100円=1マイル |
ポイント・マイル交換比率 | デルタ航空でのカード利用:マイル2倍(100円=2マイル) 海外ショッピング:マイル1.3倍(100円=1.3マイル) |
カード継続特典 | シルバーメダリオン(入会1年間無料)、航空機座席の無料アップグレードなど優待 カード利用100万円以上でメダリオン継続 |
旅行保険(障害死亡・傷害後遺障害保険金) | 海外:最高5000万円(補償期間は最長90日) |
同(障害治療費用保険金・疾病治療費用保険金) | 最高100万円 |
手荷物無料宅配サービス | スーツケース1個 |
家族カード | 1枚目無料 |
ショッピング・プロテクション | 国内外で購入した商品の破損・盗難被害を補償購入日から90日間、年間最高500万円まで |
ペルソナSTACIA アメリカン・エキスプレス®・カード(年会費15,400円)
ハイブランド 買い物10%還元
阪急、阪神百貨店で買い物すると事実上、10%キャッシュバックとなり、使い方によっては驚異的な還元率となります。
東京・銀座にある阪急メンズ館は、プラダやブルガリ、ドルチェ&ガッバーナ、ラルディーニなどのラグジュアリーブランドのほか、ラルフローレンやブルックスブラザーズのようなハイブランド、APC、ポールスミスのような高級カジュアルまでそろう、国内屈指のアパレル専門百貨店です。
例えばラルディーニやブルックスブラザーズでは、スーツやジャケットをオーダーできます。ハイブランドだけに普通に購入すると10万円以上はかかります。APCのジーンズは1本2万円以上、ポールスミスのジャケットも1着5万円以上などで売られています。
さりげなくカード決済するだけで10%分のポイントが貯まり、次の買い物から現金と同様に使うことができるので、クーポン券を見せて割引してもらうような恥ずかしさはありません。
阪急以外の場所での買い物も、200円当たり2ポイント加算され、還元率は1%。阪急で買い物する機会が多ければ、年会費分の元を取るのは難しくないでしょう。
カード名称 | ペルソナSTACIA アメリカン・エキスプレス®・カード |
年会費 | 15,400円(税込) |
ポイント基本加算率 | 阪急百貨店・阪神百貨店:決済金額10%分のSTACIAポイント(Sポイント)加算国内外ショッピング:200円=2Sポイント |
ポイント交換比率 | 「1」Sポイント=1円阪急阪神グループの百貨店、ショッピングセンター、ホテルなどで使用可能 |
阪神百貨店・阪急百貨店での優待特典 | 手荷物無料預かり3時間(3000円以上の買い物で6時間) 阪急メンズ大阪 ラウンジサービス 阪急メンズ東京 駐車サービス |
銀座松屋 | 10%優待券 |
旅行保険(障害死亡・傷害後遺障害保険金) | 海外:最高5000万円(補償期間は最長90日) |
同(障害治療費用保険金・疾病治療費用保険金) | 最高100万円 |
手荷物無料宅配サービス | |
家族カード | 7,700円(税込) |
ショッピング・プロテクション | 国内外で購入した商品の破損・盗難被害を補償購入日から90日間、年間最高500万円まで |
オンライン・プロテクション | 届け出から過去60日以内の不正利用額を補償 |
ヒルトン・オナーズ アメリカン・エキスプレス®・カード
高級ホテルの朝食0円 無料宿泊特典も
ヒルトンを頻繁にビジネスで利用する人、もしくは国内外で高級リゾートを楽しみたい人に恩恵の大きいカードといった印象です。
高級ホテル・ヒルトンの無料宿泊をもらえたり、朝食無料、客室グレードアップのサービスを受けられるのが特徴です。
ヒルトンは世界123カ国で7000以上のホテル・リゾート施設を運営。国内では高級ホテルのコンラッド東京や、コンラッド大阪も同社グループに入っています。リゾート施設があるのは北海道のニセコや、沖縄県、神奈川県小田原市に立地。いずれも宿泊費用は、一泊当たり3万円前後が掛かります。
カードの特典についてですが、年間のカード決済150万円で毎年1回、ウィークエンド無料宿泊券をもらえるのが第一の魅力です。
国内も良いですが、私はタイのラグジュアリーホテル「コンラッド・バンコク」に、ぜひ泊まってみたいです。
日頃の買い物では、100円当たり2ヒルトン・オナーズ・ボーナス・ポイントを加算。カード利用30万円で、6000ポイントがボーナスとして加算されます。
部屋のグレードによりますが、おおむね貯めたポイントを2倍前後した数値を、円換算し、同等の宿泊料金に充てられます。
2023年4月某日のヒルトン成田の宿泊料金を見ると、最も安いツインゲストルームが一泊1万6000円で、2万5000ポイントでも泊まることができます。通常の買い物125万円をカード決済した時と、同等のポイントとなります。
100円=2ポイント
125万円=2万5000ポイント→ヒルトン成田、ツインゲストルーム一泊分(1万6000円相当)

カード決済150万円でもらえる無料宿泊券とポイントを合わせれば、2泊3日の宿泊料金を無料にすることはそれほど難しくないでしょう。
また、カードを持っているだけで全ホテルで朝食が無料になるほか、空室次第で部屋のアップグレードも行われます。
私のような庶民には、他社の格安ビジネスホテルに泊まって旅行できるだけでも御の字なのですが、1年のうちに短期間でも、高級ホテルに無料宿泊して遊ぶ機会をもらえるなら、ありがたいです。
恋人や配偶者と記念日に宿泊しても、きっと良い思い出ができるはずです。
カード名称 | ヒルトン・オナーズ アメリカン・エキスプレス®・カード |
年会費 | 16,500円(税込) |
ポイント基本還元率 | 通常:100円=2ヒルトン・オナーズ・ボーナス・ポイント ヒルトン施設内:100円=3ポイント |
ボーナスポイント | カード30万円利用で6000ポイント |
特典1 | ヒルトン・オナーズ・ゴールドステータスを無条件で提供 全ホテルで朝食無料 空室次第でアップグレード |
特典2 | ヒルトン・プレミアムクラブ・ジャパン(HPCJ)の年会費:25000円から10000円に割引対象。ホテル25%引きに |
カード継続特典 | 150万円の利用で、ウィークエンド無料宿泊券(1泊) |
旅行保険(障害死亡・傷害後遺障害保険金) | 海外:最高3000万円(補償期間は最長90日) |
同(障害治療費用保険金・疾病治療費用保険金) | 最高100万円 |
手荷物無料宅配サービス | ー |
家族カード | 1枚目無料 |
ショッピング・プロテクション | 国内外で購入した商品の破損・盗難被害を補償購入日から90日間、年間最高200万円まで |
Marriott Bonvoy® アメリカン・エキスプレス®・カード(年会費23,100円)
マリオット・インターナショナルの運営する国内外のホテル8000軒以上で、無料宿泊、部屋のアップグレード、レイトチェックインなど各種優待を受けられます。
マリオットは、「ザ・リッツ・カールトン」や「シェラトン」などのラグジュアリーブランドを展開していることでも有名です。一生に一度は泊まってみたい憧れのホテルで優待を受けてみたいですね。
無料宿泊は、1年間のカード決済額が150万円以上となり、翌年度以降も同カードを使い続けた場合にもらえる特典です。無料になるのは1泊1室(交換レート3万5000ポイント分まで)で、別途自身が貯めた1万5000ポイントを加えて、合計5万ポイントを一度に使うことができます。
2023年4月某日の「ザ・リッツ・カールトン東京」をみると、宿泊料金は最もグレードの低いデラックスツインで18万7000円。ポイントで泊まろうとすると、9万8500ポイントが必要となります。カードの無料特典では宿泊できないようですね。
ウェスティンホテル横浜なら、デラックスツインを3万2000ポイント(通常料金3万5000円)で泊まれます。アメックスの提携カード特典で無料宿泊できるのは、1泊3〜5万円のホテルと考えて良いと思います。

このほか、マリオットのシルバーエリート会員資格を自動底に付与。ホテル宿泊で客室、スパ、レストランの利用金額に対し10%分のポイントが貯まるほか、優先レイトチェックアウトのサービスを受けられます。
ゴールドエリートで高還元
1年間のカード決済額が100万円以上なら、ゴールドエリート資格が与えられます。こちらは、客室料金やスパ、レストランなどの利用料金に対して、25%の追加ポイントが貯まります。レイトチェックアウトや部屋のグレードアップ特典も付属しているので、ビジネスマンなど普段からマリオットを利用する機会が多ければ、多いほど、お得になる仕組みになっています。
カード名称 | Marriott Bonvoy® アメリカン・エキスプレス®・カード |
年会費 | 23,100円(税込) |
ポイント基本加算率 | 通常:100円=2ポイント マリオットホテル:100円=4ポイント |
ボーナスポイント | カード45万円以上利用で6000ポイント |
特典1 | Marriott Bonvoy「シルバーエリート 」会員資格を付与 レイトチェックアウトやホテル内での対象となる利用金額に対して10%のボーナスポイント |
特典2 | 年間100万円以上のカード利用で、Marriott Bonvoy「ゴールドエリート」会員資格 レイトチェックアウトやホテル内での対象となる利用金額に対して25%のボーナスポイント |
カード継続特典 | カード利用150万円以上で無料宿泊券(1泊1室) レイトチェックアウト、部屋のアップグレード、ボーナスポイント付与など各種優待 |
旅行保険(障害死亡・傷害後遺障害保険金) | 海外:最高3000万円(補償期間は最長90日) |
同(障害治療費用保険金・疾病治療費用保険金) | 最高100万円 |
手荷物無料宅配サービス | ー |
家族カード | 1枚目無料 |
ショッピング・プロテクション | 国内外で購入した商品の破損・盗難被害を補償購入日から90日間、年間最高200万円まで |
空港ラウンジ | 同伴者1人まで無料 |